ハイスペックガール



「ハッキングがお得意のようだから情報は好きに調べていいけど
それを使って裏切るようなことがあれば……
わかるよね?」





また……




「脅しが好きなんだね。」



私だって馬鹿じゃない。




裏切るようなことはしない。



お父さんとお母さんに無事でいてもらうために。




「それで、本題。明日……天龍専用の病院に行って治せ。」




専用の病院?!



ほんと人脈がすごいんだな、この人。



「分かった。でも1日に100人が限界。」

「充分だ。」





さっそく仕事か。


そこまで大変じゃないからいいんだけどね。






「どの辺まで治せるんだ?詳しいことを知りたい。」



私にできないことなんてない。


どんな病気だって治すことができる。



「全ての病気、怪我を治すことができる。死ぬ直前でもね。生き返らせることはできないけど。

一時的に自分に負担がかかる」





この能力はおばあちゃんゆずり。


でもおばあちゃんはもう使えない。



私が小さい頃、なんで使えなくなったのか聞いたんだけどもう忘れちゃった。



ないほうがいい。こんな力。




早く消えないかな。




「分かった。なら無理はすんな。着物の着付け覚えろよ。浩太が愚痴こぼしてたから。」


余計なお世話。

毎日着てれば覚えるし。多分。



……そういえばいつまでここにいなきゃいけないんだろう。


一応人質とられてるし、当分はここにいなきゃダメだよね。




「マキ。私裏切るつもりはないから。」




返事がなくて振り返ると、


誰もいなかった。




いつの間に出て行ったの……。



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