ハイスペックガール
「おい、起きろ。」
そんな声に起こされた私は、少し不機嫌。
また勝手に入ってきた。
この際もうどうでもいいけどね。
「早く着替えろ。」
「は?どこいくの?」
今日は土曜日。学校もないはず……ってこれから学校どうするんだろう。
「病院行くっつったろ。平日も普通に学校行くからな。」
そう言って私に昨日とは違う着物を渡してくる浩太。
そこには紙が挟まっていた。
開いてみると、着付けの仕方が細かく書いてあった。
……手書き?
「早く覚えろよ。毎日着るんだから」
こんなの毎日着てたら疲れちゃうよ……。動きにくいし。
「それ着てれば暴れないだろ。」
もともと暴れるつもりはなかったけどね。
「はいはい、着替えるから出てって」
私は背中を軽く押して追い出した。
こんな細かく……。時間かかるだろうな。
目を通していくと、最後に、早く覚えろよと書いてあった。
浩太……?浩太だよね。
こんな手間がかかることを。
私の着付けをするのが嫌なんだな。私も嫌だけどさ。
とりあえず着よう……。