ハイスペックガール
「あの方の欠片に会うことができるなんて………光栄です。凛様。」
「へっ?」
なんともマヌケな声が出てしまう。
凛様、なんてどうして……。
それに、あの方の欠片…?
「そろそろお気づきになられませんか、」
ライさんは私と誰かを重ねてみているような気がする。
そっか。
その女の人は……
おばあちゃん。
「おばあちゃんが……。」
呟くと、ライさんが頷いた。
「その美貌、気の強さ、纏うオーラ……よく似ておられます。」
美貌なんて、ないのに。
たしかに気の強さは人一倍あるけど。
マキはそのことを知らなかったのか、驚いている様子だった。
ここにいる全員が私をまじまじと見てくる。
「……っ…フ…っウ…」
ついにライさんが溜め込んでいた涙がこぼれだした。
それほどおばあちゃんを大切に思っていてくれたんだよね……。
ライさんになら心を許せる、そんな気がした。