ハイスペックガール
「ここの部屋です。」
ライさんはあれからすぐ泣き終えて、私たちを治療室へ案内した。
それにしても…広い。
見た目はただの田舎な家だったのに。
部屋の中へ足を進めるとたくさんのベットに病人が大勢横たわっていた。
「今日はとりあえずこの人たちをお願いします。一刻を争います。さ、来てください。」
とりあえず……って、病人どんだけいるの。
てか……日本人じゃない……?
あ、そっか、世界各地に天龍がいるのか。ほんと、規模が計り知れない。
私は一番近くのベットで苦しそうにもがく男の人の前に立った。
「どこを治すのか教えてください。」
ライさんはすぐに、カルテのようなものを取り出し、肺です。と言った。
「では。」
私はその人の胸部に触れた。
あ……この人、肺に穴が開いてる。
3秒ほどたって、手を離した。
その人は不思議そうに自分の胸に手を当てている。
重症だったからいつもより長かったな。
「これが……治癒能力……。」
マキは治って笑顔を見せている男の人を見ながら言った。
「神の手……。やい様……、っ」
ライさんは再び、静かに涙を流した。