ハイスペックガール
どの人も、戦ってできた傷だった。
病気の人もいたけど。
傷がすべて荒かったからきっと、銃で撃たれたりナイフでさされたりした人がほとんどだと思う。
一体何をして……!
私が知らないところでこんな…っ
「大丈夫か?」
足がフラフラする。
一気に100人の傷を治したから負担が大きいんだ……。
浩太は私の肩に腕を回してきた。
「大丈夫。このくらい。」
私は浩太の腕を払うようにどけた。
頼りたくはない。
「凛様……。ありがとうございました。
負担が大きいと思いますの、お休みになってください。」
ライさんと治った患者達は私に深々と頭を下げてきた。
「私に頭なんて下げないでください。そんな器の人間ではありません。」
天龍に拉致されていなければ、この患者達を見ることはなかったのだから。
「ほんとに、やい様に似ておられますね。」
ライさんはにっこり笑った。
「凛、帰るぞ。」