ハイスペックガール
浩太に期待しているわけじゃない。
私を騙して拉致した最低なやつだし。まぁ、騙された自分も自分だけどさ。
私が期待していた、みたいな雰囲気になったのが気にくわない。
今さら、どうでもいいことかもしれないけど。
「今日は夕食、部屋に持ってくるから。もう服着替えていいからな。」
「わかった。」
それは助かる。
早く脱ぎたかったから。
浩太が出て行った後、すぐにトレーナーにスキニーというラフな格好になった。
やっぱり、こういう格好が一番。
着物とか重いしきついし…。
ベットに寝っ転がってみたものの、足が痛くて寝るどころではない。
私はなんとなく、パソコンを起動した。
昨日の残ってるし。
東島組が坂上組を攻めたとき、一体何が起こって浩太の母が殺されたのか。
出てきた情報をコピーして、昨日の資料と見比べる。
…
は?
ってことは、坂上沙羅…浩太の母は人質にとられていた…。
それを知ってて助けなかったってこと?
今から10年前…か。
3年前、浩太はこのことを知って天龍に入ったんだ…。
母を見捨てた父を許せない、?
きっとそうだよね。
自分の妻を見捨ててまで守りたかったの?自分の組を。
私には到底、理解できない話だよ。
最低としかいいようがない。
浩太に同情するわけじゃないけどね。