ハイスペックガール
じゃあ浩太は坂上組と縁を切った、つまり敵ってことだよね。
親子、敵同士…。
私は今、仮だけど子の味方についているから親はお怒りだろうなぁ。
いつ襲ってくるかわからない。
負けることは多分ないだろうけど、
向こうだってなんらかの策は練ってくるはず。
このこと、マキは知ってる?
情報隊長の浩太が、
親の情報を伝えているかどうかわからない。
それは浩太の責任だし、首突っ込まないほうがいいか……。
「凛さん、入ってもいいですか?」
「どうぞ?」
承諾しちゃったけど誰だろう。
私は急いでパソコンの電源を切って資料をしまった。
そして、くるりと椅子を反転させた。
「あ、えっと……」
「南里です。」
「あぁ、南里さん。」
今日一緒に病院に来た人だよね?
高校生?……んー、年上の代なのはたしか。
無造作にセットされた髪の毛は後ろに流されていて、
大人っぽさを感じた。
「あ、すいません自己紹介が遅れました。会計隊長の南里です。」
「海音凛です。会計隊長って……」
「会計は、まぁ名前通り、お金の管理ですね。
世界で動いているから大きいお金の動きがたくさんあるんです。
予算を立てるのも私たちの仕事です。」
へぇ。じゃあこの人は喧嘩できないのかな?
体じゃなくて頭を使うのかな。