ハイスペックガール
「あ、まって」
ワゴンをひいて出て行こうとする浩太を慌てて引き止めた。
「なんだよ」
勘違いしてるわけじゃない、自惚れてるわけじゃない、本心ともいいきれない。
けど。
「ありがとう。今日はいろいろと助かった」
それがたとえ、浩太の仕事の一環だったとしても。
感謝してなくもない。
「教育係だからな。このくらい当たり前だ」
いやでもやっぱり感謝してない。
人がお礼を言ってるのに!
でも浩太は心なしか、少し嬉しそうに笑った。
「ついでに風呂もついて行ってやろうか?」
「最低。お礼を言った私がバカだった。」