この恋愛にセーブ機能はありません!!
人の賑わう掲示板をチラ見して
自分の名前を見つけた後、人混みの間をスルスルとうまく抜けながら階段を上る。
去年よりも上がる階数が少ないのは、
引きこもりの私からすればとてもありがたい特典だ。
クラスに入り、黒板で席を確認してから座る。
苗字が苗字なだけに、席は窓側の一番後ろから一つ前。
暖かい日差しが差し込む、特等席。
カバンの中からポーチを取り出し、ケータイゲーム機にイヤホンを差す。
ゲーム機を起動すれば、聞きなれたゲーム音に、大好きな声優さんの声。
『ふぁあああああああっ!!』
旗から見れば、唐突に発狂し出した気味悪い女子高生。
だけどこれは去年と同じ。
だから私には友達がいないのだ。