この恋愛にセーブ機能はありません!!



人の賑わう掲示板をチラ見して


自分の名前を見つけた後、人混みの間をスルスルとうまく抜けながら階段を上る。




去年よりも上がる階数が少ないのは、



引きこもりの私からすればとてもありがたい特典だ。




クラスに入り、黒板で席を確認してから座る。




苗字が苗字なだけに、席は窓側の一番後ろから一つ前。




暖かい日差しが差し込む、特等席。




カバンの中からポーチを取り出し、ケータイゲーム機にイヤホンを差す。





ゲーム機を起動すれば、聞きなれたゲーム音に、大好きな声優さんの声。





『ふぁあああああああっ!!』





旗から見れば、唐突に発狂し出した気味悪い女子高生。





だけどこれは去年と同じ。





だから私には友達がいないのだ。



< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop