E・N・M・A~えんま~
「お誕生日おめでとう、千夏!!」
「おめでとう!!」
クラッカーが鳴り響くと同時に、降り注ぐ色とりどりのテープと祝福の声ーー。
頭からたくさんのカラーテープのシャワーを浴びたまま、ワタシはケーキの上に点っているオレンジ色の火をフゥ~ッ…と吹き消した。
ーーはずだった。
なぜ、そうなったのか誰にも分からない。
突然、有り得ない光景にその場にいた誰もが凍り付いて、すぐさまには動けないでいた。