E・N・M・A~えんま~


そうーー。



目の前でワタシに熱いキスをした彼は、あの転校生だった。




宮下愁・・・。




「なんだ、『宮下くん』・・・はないよな。千夏?」



彼はーー閻魔とうり二つな宮下愁ーーは、目を細くして笑った。



「・・・・・・」



黙り込んだままのワタシに、さらに宮下愁は続けた。



「愛しい恋人に会ったんだよ?少しは笑顔で千夏からキッスをしてくんなくちゃね」




「え!?恋人ッ?」





思わず聞き返した。





「そ。こ・い・び・と。んで、婚約者ってやつ?」





「え!?え~~~~~?!」



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