E・N・M・A~えんま~
「って言うか、あんたと『最高な夜』なんて過ごした覚えはないからッ」
内容が内容なだけにかなりトーンを落として言い返す。
いったいぜんたい、この男の脳みそは相当にイカれているのではないかと思う位にわけが分からないのだ。
こんなイカれポンチなヤツが、なぜそっくりなのか心底疑問だ。
でもーー。
「あっ…ヤバいッ」
舌打ちをして、ヤツは横を向いて吐き捨てるように呟いた。
そうしている間にも、かなり目立つ宮下愁を周りの女子が熱いまなざしで見ていく。
朝日を浴びて、綺麗な髪が茶色く光り宮下愁の全てをいつも以上に引き立たせていた。
目立たないわけがない。
そして、その前にはなぜかワタシがいて…。
女子の視線が痛い…。