E・N・M・A~えんま~


「お父さんッ!ロウソク、ちなつが消すからねッ!!」



小さな利発さを兼ね備えた少女が、向かい側に座って微笑んでいる父親に向かって言っている。




父親は、ただ嬉しそうに頷いて、デコレーションケーキに刺してある七本のロウソクに火をつけた。







ーーーーーーーー


ーーーーーー




ーーーーー





コレは、夢だ。





千夏が作り上げた夢なのだーー。




こんな夢は終わりにしてしまわないといけない。


同じ悪夢を何度も繰り返して見てはいけない。





そのうち、本当に悪夢に捕らわれ現実を見失いかねない。


< 229 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop