E・N・M・A~えんま~
懐かしい香りが、鼻腔をかすめる…。
大切な人…に違いない。
だってーー。
こんなにも、胸が苦しくて締め付けられるんだもの。
『さぁ、最後の1本だよ』
男性が満面に笑顔を浮かべて、ワタシに言った。
あぁ、この人は……。
…お父さん…?
………お父…さん……?
パパーーーー…………!!
父親が7本目のロウソクにライターの火をかざした瞬間。
ワタシは、まるで悲鳴をあげるかのように叫んでいたーー。
『駄目ぇーーーーーッ!!!!』