E・N・M・A~えんま~


ーーと、その時。





全ての映像がゆらりと、ぼやけた。



陽炎(かげろう)で揺れているかのように…。




父親の姿も


テーブルを囲んでいる母やペンションのオーナー夫妻も



視界に入る全ての者や物たちが、揺らいだ。





そして、


「千夏…」





ワタシに呼び掛けるその声に、




全身が震えた。


< 238 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop