E・N・M・A~えんま~
十三の巻~後悔~(☆千夏)
後悔をしたまま…
懺悔の気持ちを背負ったままずっと半永久的にいなければならない閻魔にとっては、まさに人界で言うところの地獄なのかも知れない。
ワタシは、閻魔の唇にそっと自分のそれを重ねた。
閻魔が驚いた顔でワタシを見たけれど、自分からこんなことをして…などと後で恥かしがると思うのだけれど。
この男を、どうしても許したくてたまらなかった。
縛られている後悔の鎖を断ち切ってあげたかった。
「ーーもう、いいよ…」
ワタシは、彼の唇に触れたまま囁いた。
「……千…夏…?」
訳の分からない様子でいる閻魔に、
「ワタシ、閻魔を許す…よ」
と、抱き締めた。