E・N・M・A~えんま~
十七の巻~終焉~(★閻魔)
いったいどうなっているのか。
我はただ茫然と二人を見ていた。
千夏が突然悲鳴をあげてうずくまったと思いきや、今度はいきなり立ち上がりシュウに駆け寄ったのだ。
久方ぶりに見る恋人に逢えたかのような悦びぶりだった。
まったくもって、ありえない。
千夏がシュウを選ぶとは――。
しかも、今ではまったく我に見向きもせずに仲睦まじくくっついている。
「シュウ様、こうして触れることができて本当に…っ。
嬉しくて、嬉しくて…!」
などと言っている千夏は感極まって涙を浮かべる始末だ。
「千夏…」
彼女の守り人の母親も呆然としている。