E・N・M・A~えんま~


「千夏!」




すぐ隣で、やはり同じように彼女を心配していた母親の呼び声で千夏は



「お母さんっ!」



と母を呼んだ。



そして次の瞬間には、我をそっちのけにして親子で抱き合って喜びを噛み締めていた。









「おかえり、千夏」



不意にシュウの声で現実に帰った。



そうだった。



すっかりこいつのことを忘れていた。



シュウ――



我が



双子の弟――。



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