E・N・M・A~えんま~
変わらない温かい笑顔をこぼすその人に、懐かしさで胸が苦しくなる。
「うん…久しぶり…だね?」
「ああ、そうでもないぞ。さっき、話はしただろう?
ーーまあ、姿は見えなかったかも知れないが」
ははっ、と目尻にさらなる深い皺を刻んだ竜神は、娘だったワタシから見ても魅力的だ。
「あなたっ……!!」
と、ワタシの横を誰かがすり抜けて駆けていった。
母だーー。
母は体当たりに近い勢いで竜神の胸に飛び込んでいった。