E・N・M・A~えんま~


たどり着く……?



どうしてだろう?

頭の奥で、チカチカと光るものーー。



「そんな顔をするな……我も辛いだろう………」


彼がワタシの頬を撫でた。


温かい……。



「あなたはワタシを知ってる…?


千夏って、呼んだもの…。


ワタシも、…あなたを知っているような気がする」



ワタシは彼の銀色の髪をひとすくいして、やはりなぜか懐かしいサラサラとした髪質に頬を寄せた。



大胆な仕種をしてしまった、と思ったけれど。


彼の香りが…

触感が…



『知ってる』と思ってしまうのだから、自分でもどうしていいのか分からなくて、切なくて…






< 42 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop