E・N・M・A~えんま~
たどり着く……?
どうしてだろう?
頭の奥で、チカチカと光るものーー。
「そんな顔をするな……我も辛いだろう………」
彼がワタシの頬を撫でた。
温かい……。
「あなたはワタシを知ってる…?
千夏って、呼んだもの…。
ワタシも、…あなたを知っているような気がする」
ワタシは彼の銀色の髪をひとすくいして、やはりなぜか懐かしいサラサラとした髪質に頬を寄せた。
大胆な仕種をしてしまった、と思ったけれど。
彼の香りが…
触感が…
『知ってる』と思ってしまうのだから、自分でもどうしていいのか分からなくて、切なくて…