E・N・M・A~えんま~


やはり黙ったままの我に、突然鋭い眼光を向けると少女が我の唇を引っ張った。



「………ッ!!」



思わず呻いて、その手首を掴んだ。
なんてぶしつけな娘だろうーー。
そう思った。



だが、あまりに細い華奢な手首で、掴んだものの捻りあげてやる事も出来ず戸惑った。


少女の瞳が、我の眼を捉えて離さなかった。
強い光が瞬いていた。



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