バレンタインの奇跡 短編
希世葉
「希世葉…早く目を覚ましてくれ
お前が目を覚ますのなら俺は……自分の命を捨ててもいいんだ」
俺は病室のベッドで身動きひとつしない最愛の存在…希世葉の手を握りながら呟く
俺の言葉にも反応を示さずただ眠っている希世葉に何度そう言っただろうか…
1年前の2/14日…
手作りのチョコをくれるという電話が希世葉からかかってきて公園で待ち合わせをしていた
いつもなら20分前には待ち合わせ場所にやって来る希世葉がその日に限って来なかった
何故か得たいの知れない胸騒ぎが俺の体を巡る
きっと
「支度に時間がかかってるんだな」
と独り言をいいながら希世葉が来るのをまった
胸騒ぎを無理矢理投げ捨てた
だが
予定時間を30分を過ぎても希世葉はやってこない