バレンタインの奇跡 短編

「希世葉
今日はバレンタインだな

お前の事故から1年前がたったな
いつ目を冷ましてくれるんだ??

俺は寂しくてたまらないよ…早く甘えの声が聞きたい
お前の笑顔がみたい…

その目を開いて俺を…
俺の姿を映してくれ…………」

ピクッ

俺は叫びにも似た声を発すると握っていた希世葉の手が少し動いたように感じた

気のせいか…
と思ったが俺は無意識に声をかけた

「希世葉!?
希世葉!!目を覚ましてくれ!」

俺は声をかけ続けた

すると閉じていたはずの希世葉の目がゆっくりと本当にゆっくりとだが少しずつ開く

「希世葉!」

「な、に……夜…那……

ご、めんね
ずっと、……待たしちゃって…
聞こえてたよ……ずっと夜那の声は」

か細い声だったが俺にはっきりと希世葉の声は自分の耳に届いた


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