悪魔な彼が愛を囁くとき
意地悪な笑みで微笑む男に、顔中が真っ赤になるぐらい熱くなってしまっている。
「……な、な、なに言ってるの。バカ……」
あまりの恥ずかしさに、肌にかかっていた掛け布団を引っ張り顔を隠した。
もう
もう…寝たふりしてたなんて
信じられない。
喉まで出かかっていた言葉を口にしなくてよかったと思った瞬間
掛け布団ごと抱きしめてくる腕に抱き上げられて、ストンとそのまま胡座をかいた男の上に横抱きに座らされてしまう。
頭にかぶっている掛け布団を引っ張られ視線が合うと、なぜか嬉しそうにしている男。
「…ツンツンしてる凛も、歯向かってくる凛も、俺の腕の中で乱れる凛も、こうして真っ赤な顔して潤んだ瞳で睨んでくる凛も俺だけのもの」
ぎゅーと更に抱きしめられる。
「……くるしいって」
「知ってる…」
なら、腕の力を解いてよ。
怒りに睨んでやる。
「そうやって凛に睨まれる度、ゾクッとしてた。その顔を俺の腕の中で色っぽく蕩けさせたいってな」
「……」
そんな艶めいた表情を見せられたら、こちらの方がゾクッときて甘く疼く体がブルッと震える。
「いいね…その顔そそられる」
彼は上唇を舐め妖艶に微笑んでいた。