悪魔な彼が愛を囁くとき
どうしてこんなことになるのか?
朝日がブラインドの隙間から差し込む中で、ギシギシと揺れるベッドで後ろから羽交い締めにされ、膝をついたまま腰だけを浮かしベッドと男に挟まれ、枕の角を握りしめて顔を埋めされるがままに喘いでいる。
男の筋肉質の体が熱く、汗で湿った胸板が背に密着し腰を打ちつけ、うなじや肩に時折唇を這わせてくると枕から顔が離れ甘い刺激を逃がそうとする私。
そこを見逃さずに、首が横に向かないというぐらいまで顎をつかみ視線を合わせ淫らにキスを仕掛けてくる。
そして、キスに溶かされ意識が朦朧とする頃
「‥りんは俺とキスするの好き?」
「……」
「蕩けた顔して嫌いなわけないよな」
な、なにが言いたいの?
朦朧とした頭では彼が言いたいことがわからない。
チュッと触れるキスを耳して耳朶を食む。
「あっ…」
「耳も好きだよな」
この悪魔な男は、甘い苦痛を私に与え、
甘い言葉と唇で弄ぶ。
「うなじも‥背中も‥こんなに敏感に反応するようになって……」
「……あっ…んっ……」
肌に話しながら触れる男の唇に感じてしまう。
「体は素直になったのに、この口がまだ素直にならないのがむかつく」