悪魔な彼が愛を囁くとき

思わず、両頬を押さえて微笑む。

もう、なんなの⁈
偶然とはいえ

「……仁の味つけ、私好み。もっと他の料理も食べてみたい」

「ふはっ、なら良かった。もう、俺なしじゃいられないな」

まさか…の餌付けですか⁈

意地悪く笑った男に顎をとられ、落ちてくる唇にキスをされていた。

口の中を味わうように進入してくる艶めかしいキス。

そして、それがすぐに離れていき、寂しく感じてしまう自分。

あっ…もっと…

男の唇を追いかけてキスをしていた。

触れる唇の上でつぶやく男

「タイムミリットだ」

えっ…

そして、やはり離れていく唇が口角を上げ、男の指先が私の塗れた唇を拭いながら意地悪く笑い、囁いた。

「物足りないだろうが、後でたっぷりしてやるから我慢しろ」

顔中がぼっと赤くなり、反論できずにアワアワしている私をその場に残し、身なりを整えている男は、憎たらしいぐらいかっこいい。

つい、見惚れてしまっていた。

「凛、時計は何時だ?」

すでに出勤時間が過ぎていて

オーマイガー…

「俺と一緒なら怖くないだろう…覚悟を決めろ」

下にいるであろうオーナー夫婦と綾乃さん。

どうか、お手柔らかにお願いします。
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