悪魔な彼が愛を囁くとき
悪魔な旦那さま
その日から1ヶ月
2人で住む為の新居探しに始まり、両家同士の挨拶も済み、本日朝一で区役所で入籍手続きを済ませてきた私達。
この1カ月、お店の営業をお休みする事もせず、休憩時間を利用して新居探しをしたが、引っ越しまでの手際の早かったこと…
今思えば、彼の頭の中で手順が踏まれていたのではないかと疑いたくなる。
〈その理由1として〉
私の両親への挨拶
私自身、ためらっていた。結婚する相手が両親の知っている男と違うからだが…急展開過ぎる仁との結婚に不安もあり、なかなか報告出来ずにいた。
そんな私の気持ちを読み、恐ろしい形相で睨む仁の目の前で両親に電話をかけさせられ報告するはめに…
すかさず、電話を奪われ仁の自己紹介から始まり、どんどん話が弾んで両家の顔合わせの日取りの話まで話が飛んでいた。
〈その理由2として〉
新旧関係なく、住む為のマンションの候補がしぼられていたこと。
フォルテシモから遠すぎず近すぎない距離で、第一候補から第三候補を出してきて、見てもいないのにその3つの候補の間取りまでサラッといい、この部屋のここが気に入らないとか、この部屋は玄関が狭いとか、浴室が気に入らないとか愚痴っていたこと。