悪魔な彼が愛を囁くとき

どんな形でもいい…
凛の中で俺が占める割合が多くなればそれだけでいい。

デートだとわかっていて突然の休日出勤を無理強いしたり…

デートだとわかっていて残業させたり…

デート中も仕事だと偽って、どうでもいい内容の電話をかけてあの手この手で邪魔をしてきた。

流石に、彼女には嫌われ影で悪魔と言われているが、それさえも心地いい。

もっと、もっと男よりも俺でいっぱいになればいい。

そのうち、凛は俺の悪口を男に愚痴り出し、男に疑念をわかせる存在になる。

そして、とうとうこの日が来た。

大泣きしたであろう凛の顔。

やっと、男と別れたか⁈

嬉しくてほくそ笑んでしまうが、定かじゃない。

ただ、ケンカしただけかもしれい。

泣き顔のひどい彼女にメイクを直してやると近づき

『お前、男に振られたか?』

確認する。

『……無神経です。わかっていてもそこにふれないのが優しさなんじゃないんですか?』

…2年近くかけてやっと別れさせることができた。

キッと睨むその目…
今日から変えてやる。

『悪かったな…優しくなくて。お前に優しくするほど器が大きくないんだよ。……お前のプライベートはお客には関係ない。ヘマするなよ』
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