悪魔な彼が愛を囁くとき
声を聞くだけでドキドキします

どうやって帰ってきたのかわからない。

いや…わかってるんだけどね…

頭の中がフリーズしている状態らしい。

私、落ち着け…

えっと、帰りがけに店長に捕まって好きだって告白されたんだよね。

それでもって俺を好きになれって…

その後って…後頭部を抱き寄せられて店長の肩におでこを乗せた体勢で、『お前は、必ず俺を好きになる』って耳元で宣言されたんだよね。

『私が店長を好きになる要素、ないんですけど…』

可愛くない事を言ってごまかそうとしたのに自信に満ち溢れた声で

『お前の中、俺でいっぱいになるまで口説くから俺を振る可能性なんて1%もない』

『店長って振られた事ないんでしょうね』

『あぁ…』

『それなら、私が店長を振る初めての女ですよ』

『アァッ』

それまであった甘い雰囲気が一瞬で壊れた。

『俺が振られるなんてない。なぜなら凛を手に入れるまで諦めないからだ』

ア然として言葉もでてこない。

沈黙を肯定と判断したのか‥その後、腕を掴まれアパートまで10分程の距離を引っ張られて歩いた。

アパートの前で店長が振り返る。

『……凛、とりあえず2人きりの時は名前で呼べ』
< 17 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop