悪魔な彼が愛を囁くとき

「ち、違うんです。……店長に頭突きされてたんです」

「頭突き、ね…」

苦しいいい訳に

「そうなんだ…私はてっきり店長といちゃついてたのかと思って、邪魔して悪かったかなぁって思ってたんだけど…」

「イヤ、いちゃいちゃなんてしてないです。あれは頭突きです」

「ふっふふ‥そんなに力強く言わなくてもいいのに。わかったわよ…頭突きね」

「はい」

半信半疑だろうが納得してください。

店長に口説かれているなんて知ったら、それこそおもしがって聞き出そうとしてくるに違いないもん。

犬猿の仲の2人が実は・・・
なんて、格好の面白いネタを自ら提供したくない。

付き合ってる訳でもないのに、どうして私がこんないい訳みたいなことしなくちゃいけないの。

ムカつく…

これも全部店長のせいなんだから…

ーーーー

仕事中、嫌でも店長と会話しなきゃいけない事が出てくる。

そういう時に限って、綾乃さんに見られ
彼女はニヤついている。

やりづらい…

店長は仕事中は悪魔だ。

お客さんに気づかれないように笑顔で私を怒る。

なんで私ばっかり…って思うけど、そこは社員だから仕方ないと納得しているつもり…
< 29 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop