悪魔な彼が愛を囁くとき

無意識に店員の後ろ姿を目で追うと優雅な動作で各テーブルに目を配らせてお冷を注いでいた。

忙しく余裕のない私とは大違いだった。

「……凛…凛ちゃんてば」

「は‥はい」

「話聞いてた?」

「すみません」

もう…と苦笑する綾乃さんと佐和さん

「たくさん頼んで分けて食べましょうって話してたんだけど…凛ちゃんの食べたい物どれ?」

「あっ……そうですね…」

メニューを見ると目にはいったのが、春のおすすめメニューだった。

「しらすのピザなんて美味しそうですね」

「じゃあ、それも頼んじゃいましょう」

早速、呼び鈴を鳴らし綾乃さん。

先ほどの店員がすぐにきてくれた。

「ご注文お伺いいたします」

メニューを指差して

「これとこれと…後、これも、それからおすすめのしらすのピザお願いします」

「かしこまりました。お飲み物はどうされますか?」

「うーん…、少しだけ飲んじゃう⁈」

「そうよね…飲まないと聞けそうにないし、少しだけ飲んじゃいましょう」

綾乃さんと佐和さん、2人とも昼間から飲むんだ…

強…

「先にグラスビール3つお願いします」

3つ?

「私は…」

「凛ちゃん」
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