悪魔な彼が愛を囁くとき
いやいや…
お願いしてません。
それに、店長とって…
どこから店長が出てくるんですか?
嫌な汗が出てきて鼓動が鳴りだす。
「新しい恋もなにも、私、彼氏に振られたばかりですよ」
「そんなの知ってるわよ」
怖いですよ…綾乃さん。
「そんな言い方したら凛ちゃん喋れないでしょう……聞き出すならまずは飲ませてからよ」
おい…優しい人かと思ったら、腹黒い人がもう1人いたとは…
恐ろしい…
いったい、なんの尋問が始まるんだ。
「そうよね…凛ちゃん、グラスの中身あけなさい」
「でも…」
「なに⁈飲めないって言わないわよね」
逆らえない雰囲気にグラスを空にした。
すぐに、頬がポカポカと熱くなってきて、気持ちよくなってきた。
「で、なんの話を聞きたいんですか?」
「あら、もう…酔っ払っちゃった⁈」
「酔ってないですよ。……おかわりください」
料理を運んできていた店員にグラスを渡した時点で、すでに酔っていたのだろう。
店員は、綾乃さん達とアイコンタクトをしている。
なんだ…
そのアイコンタクトは⁈
「早く持ってきてよ。飲まないと恥ずかしくて話せないじゃない」