悪魔な彼が愛を囁くとき

イヤな客だ…
私なら、顔どころか態度に出てるな。

後から反省したのは酔いが覚めてからだったけど…

「店長たら、変なんです。彼氏に振られたって知ってから…業者さんと俺と態度が違うって言って、私の傷が癒えるのを待ってたら他の男に持って行かれるって…むざむざとられてたまるかって言って……覚悟しろよって宣言されたんです。変でしょう?」

同意を求めようと2人を見てみれば…
笑いを噛み締めている。

なんなんだ…

「それは、大変なヤキモチだね」

ヤキモチ?

「どこら変がヤキモチですか?てか、つきあってもいないのにヤキモチって変ですよ」

「まぁまぁ…それで、その後は?」

「その日の帰り、店長業務をしていた人が従業員出入り口の外で待ちぶせしてたんです」

笑いを我慢できなくなった2人がギャハハと笑いだした。

「……あの…店長が……必死なんて……あはは…は、……ウケる」

笑いながら、喋る佐和さん。

必死ってなんだ?
あの日の店長にそんな素振りはなかったですよ。

「おかしくないですよ」

「それで…待ちぶせされた後はどうなったの?」

「店長から逃げようとしたら捕まって、手を繋がれてアパートまで送ってもらいましたけど…」
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