悪魔な彼が愛を囁くとき

「も、もう、美鈴さん…店長が甘い顔をするなんてありえません。いつも恐ろしい顔をして怒られてばかりですよ」

真っ赤になりながらも、否定だけはしておかないと…

「それだけ、真剣に凛ちゃんに向き合ってくれているってことじゃない⁈どうでもいい子にはいつまでも怒らないわよ」

「そうでしょうか?」

「彼がここでバイトしてた時は、お客さんには愛想がいいのに女の子のバイトには愛想がなくてね…でも、ある子が仁君に熱をあげてバイト中もべったりで仕事するより彼の後を追いかけてるって子がいたんだけど、1度だけかしら…怒ったのって…その後は適当にあしらっていたわ」

へぇー

「だから、凛ちゃんは自信持っていいと思うわ」

んっ?
なんか変じゃない⁈

「ちょっと待ってください…私、店長とつきあってもないですし、告白されたのも数日前ですし、戸惑ってるんです」

「あら、そうなの?でも、悪い気はしてないでしょう?」

「……まぁ…数日で店長に感じる気持ちに変化はありましたけど…」

この気持ちがなんなのかは、まだわかならないけど…

手をつながれても嫌じゃない。

逆にドキドキして混乱するし、艶めいた声で凛って呼ばれればキュンとくる。
< 55 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop