悪魔な彼が愛を囁くとき

この〜…(怒)

カウンター下で足を踏みつけてやった。

ッ…

顔を歪める男。

ざまーみろ…

あれ?
手が離れてくれない。
それどころか…指を絡めてきて

もう、なんなのよ…

目の前の美鈴さんはクスクスと笑っているし、タカタさんからの冷たい視線が痛い。

「じんくん、また、おててつないでる」

新ちゃんは、発見したとばかりに駆け寄ってきた。

「これは恋人繋ぎっていうんだぞ」

おい…余計なこと教えてないでよ。

「こいびとつなぎ?パパとママもいつもつないでるよ…ぼくもおねぇちゃんとおててつなぐ」

無邪気な笑顔で新ちゃんが空いてる手に繋がってくる。

かわいい…

目の前を男らしい手がペシっと繋がっている手を切ってきた。

「新は…ダメだ」

なんでよ。
シュンとしてかわいそうだよ。

てか、あんたも手を離しなさいよ。

抗議の眼差しを向けても、この悪魔は子供にも容赦ないときた。

「人のものに手を出したらダメだって教わらなかったか?」

首を傾げている新ちゃん。
そりゃそうだよ。

子供に難しい言葉を使うな…

って、おい…店長、あなたはどこを見ている?

タカタさんとにらめっこですか?
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