悪魔な彼が愛を囁くとき

「それでは、失礼します。次回は金曜日に伺いますね」

タカタさんが帰ろうとする。

「あっ、店長…発注し忘れたのお願いしないんですか?」

「…あぁ、もういいわ」

なんじゃ、そりゃ…

タカタさんが来るの待ってたんじゃないんですか?

「桐谷さん、それではまた…」

「あっ、はい。お疲れさまです」

「では、失礼します…」

ベコッと頭を軽く下げ、1度、店長を見てからタカタさんは美鈴さんに頭を下げて帰って行った。

「凛、お前は誰のものでもないって言ったが、俺がほしいと思った時点でお前は俺のものなんだよ。……なぁ…よそ見する暇がないほど俺に夢中にさせるにはどうしたらいい?」

な、なんだ⁈
その訳のわからないへ理屈は?

よそ見する暇がないほど夢中にさせるには……どうしたらいいって、そんな切ない顔をしてるくせに艶めいた瞳をして言わないでよ。

先ほどの宣言も忘れて、あなたに抱きつきたくなるじゃないの……

視線を合わせたまま絡めてた指、1本1本にキスを落としていく男。

「おねぇちゃん、お顔真っ赤だよ」

そこに、新ちゃんがいる事も忘れて男に魅入られていた。

「新ちゃん、パパにバイバイしてらっしゃい」

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