悪魔な彼が愛を囁くとき
いつものように、何1つ変わらない行動をとって仕事先【ff】フォルテシモの裏口玄関のドアを開けた。
待ち構えていたのか、気だるそうに壁に寄りかかりあくびをしてそこに立っていた。
ウワッ…
前にもこんな光景があったよ。
「…お、おはようございます」
「あぁ…」
寝起きなのかいつも以上に無愛想で、機嫌が悪くみえる。
その綺麗な顔で、不機嫌マックスににらまれると怖いんですけど…
恐る恐る男の横を通り過ぎて、休憩室へ向かう。
なぜか、後ろからついてくる男。
なんなの?
ドアを開け休憩室の中へ
各自のロッカーに荷物を置いて、制服に着替えようと思うのに、休憩室に置いてあるソファに横たわる店長。
「あの…着替えしたいんですけど…」
「勝手にすればいい」
はっ…
あなたがいたら着替えしにくいんです。
相変わらずの冷たい口調にムッときて、レールカーテンを勢いよくひき、中で着替えることにした。
もう、なんなの?
わけわかんない。
昨日とは違う態度に腹が立ち、悲しくなっているなんて知られたくないから、唇を噛み締めて怒りと悲しみを我慢する。
「なぁ…目の下のクマどうしたんだ?」