悪魔な彼が愛を囁くとき

「……あははははは、お腹痛いんだけど…店長、あの顔で朝からがっつきすぎ…ウケる」

綾乃さん…笑いすぎでしょ…

「あは、あははは…で、…佐和さんは?」

まだ、笑いをかみ殺している綾乃さん。

「えっと…自慢とか惚気とか?」

「ふーん…そうか、もしかして、今日のドジも佐和さん関係してたりする?」

告げ口みたいで言いにくいけど…他人の意見が聞きたい。

「……佐和さんとすれ違った後に、突然わけがわからないまま落ちてました」

「……」

険しい顔をする綾乃さん。

「凛ちゃんと店長のことを応援してるとばかり思っていたけど、もしかしたら佐和さんは店長のこと…考えすぎかしら?」

「……どういう意味ですか?」

「佐和さんはライバルかもってことよ。
そんな素振り見えなかったから、つい、店長の長い片思いを実らせてあげようと佐和さんに相談したのよね」

「そんな…まだ佐和さんが店長を好きだなんてわからないじゃないですか?それに好きならどうして店長に告白しないんですか?」

「それはわからないわ…とりあえず、佐和さんには気をつけるのよ」

しくったわ…と落ち込みながら綾乃さんは帰ってしまう。

1人、ポツンと残された部屋。
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