悪魔な彼が愛を囁くとき
あははは…
苦笑いでごまかしてる私の横に座る男。
「さっきのことは、ちゃんと反省してます。すれ違わないように間をおくなり、まわってお客さんの席に行くなりすればよかったんでしょうけど、近道しようとして楽しようとしたのが間違いでした」
「……まぁ、わかってればいい。……その…きつく言って悪かった」
うそ…
優しい…
「いえ…お客さんにご迷惑わおかけしてしまい、怒られても仕方ないので気にしてないです」
なんていいながら、心の中は嬉しさでいっぱい。
気にして、わざわざ来てくれたんだ…
嬉しすぎる…
ツっ…
つい、ニヤニヤしてしまっていたのか、店長に頬をつねられる。
「あの場合、本来なら佐和が避けてまわるか、お前が通るまで待つべきだった。だから…佐和にも注意をしたが、料理を運んでいる以上、もっとまわりに注意を払えなかったお前にも非があるから…これからは気をつけろよ」
「……はーい」
頬をつねられながらも甘い表情で、そんな優しい言葉を言われても効果も半減。
嬉し過ぎて、間の伸びた返事しかできない。
「まったく、反省してないな⁈」
意地悪くなる表情にもときめいてしまうのは、恋してしまったから⁈