悪魔な彼が愛を囁くとき
突然、絡まる視線に顔を両手で隠していた。
「‥何も考えるな。感じるまま乱れていろ」
命令は、威圧的なのに体の奥底にまで響く艶めく声に両手を顔から離すと上体を起こしていた男は上に着ていたシャツを脱ぎ、引き締まった体を披露している。
「りん‥おいで」
差し出す手に手を伸ばすとぎゅっと握られ上体が起き上がる。
そして、胡座をかいた男の上に股がされ
恥ずかしい体勢に腰を浮かそうとするとスッと背中と服の間に手が入り込んで抱きしめてきた。
「あっ…ちょっ…」
服を引き剥がすように引っ張るから腕も一緒に背後に引っ張られ体が反る勢いに驚きの声と抗議の声が出る。
最後の声を飲み込むように口を塞がれ、逃がさないというように後頭部を押さえる片手。
そして、体中の肌をなぞる手は容赦なしに這い回り、私を熱くさせる。
体を震わせ耐えきれなくて、体中の力が抜けていく。
ふわっと一瞬飛ぶ意識
倒れる体を支えた筋肉質な腕に抱きとめられ、そのまま男の胸に寄りかかる。
汗ばんだ体はとても熱く、頭上から漏れる息遣いは色っぽく乱れていた。
上目遣いに見つめていたら、息を整えた男は妖艶な笑みを浮かべ、恐ろしいセリフを吐いた。