最果てでもお約束。
「こうはもう年齢も年齢ですし、当然の事とは思いますがぁ・・・そのぉ」
歯切れが悪い。勿体つけているようには聞こえないし、なんだ?
「えぇと・・・あ、こうはこっちを見ないように」
面倒くさくなってきたな。寝ようかな・・・。
「そのぅ・・・恋人の話が出てきたからね、ついでにね。ほら、アレですよ。そのぅ・・恋人と付き合っているとほら、当然・・ね?」
思春期の人間には野球漫画で有名な作者の作品並みに変化球でそれとなく匂わせる程度が良いのでしょうが、ぼくは素人です。
「あぁ、SEX?」
「ひょ!?」
びっくりしたのはこっちだ。一瞬見たアキラの髪が本当に総毛立っていたから。
こえー・・・・
「な・・・何回くらい・・?」
あれか、数えてるとまだ思っているんですかね。16歳って年齢は。
「あー・・・200回くらい?」
ちょっと少ないかな。まぁあんまり興味も無いし。
「人間をそんなに酷使してはいけませんっ!」
げしっ。蹴られた。ソファベッドに向けて放たれた床からのキックは自動的にぴしっと膝の伸びたハイキックになり、ぼくの太股をしたたかに打つ。つまり。
「いてぇ・・」
弱い人なんだって、ぼくは。
「1人に対してじゃない。総計でだ。総計」
これだと少ないくらいだぞ。まったく。
「ち・・・ちなみに何人くらいでしょうか?」
なんで敬語なんだよ。
「多分12人くらいじゃないかな。15くらいからだから」
13年くらいかけて200回ならやっぱり少ない方だろう。誰かと比べた事無いからわかんないけれども。
「うわぁ・・・・そんなモテそうでもないのに」
「明日の朝飯は砂にするぞ」
そもそも、良い男の方が心配だったりするらしいですよ。女性は。
まぁぼくが捨てるのに未練のいらなかった人なだけかもしれませんけれど(泣)
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