最果てでもお約束。
SEXをして気持ちが繋がる?馬鹿馬鹿しい。それこそ漫画やドラマやアニメの見すぎだ。
ぼくにそんな事は一回も無かった。いつもいつもただ、ここから先は行けませんと言う限界を感じるだけ。白い世界を歩いて歩いて、立ち止まった所そこが最果てと言われたような、そんな気持ちになっただけ。
何も繋がらない。何処にも行けない。何も見えない。
ぼくにとってSEXなんて、ただ自分の限界を知るだけのモノだったよ。すまないな、真琴。
「棒を穴に突っ込んで何が繋がるんだよ」
これはぼくのコンプレックスかもしれない。だからか、ちょっと突き放したような言い方になってしまった。
「・・・・・そう」
気付けば万力のような力でぼくの両腕を抑えていたアキラの手がゆっくりと離れていく。
止まっていた血流が再開して、すこし腕が痒い。
モゾモゾと自分の寝床に戻ってタオルケットを被り直すアキラ。こちらに背を向けて。
やはり思春期にストレートばかりでは良くなかったのかもしれない。
しかも持論を剛速球で投げてしまった。ヘタクソなキャッチャーに。
どうにもやりきれない気持ちだったので、薄暗さを最大限に利用して謝罪の言葉を述べようとした瞬間。
「オレね」
と、急にアキラが話し始めた。こちらに背を向けたまま。
「こうにとってのゆう君みたいな親友がいたんさぁ」
どこの方言だとツッコミを入れたいが、ぼくは空気を読める大人なのでしない。
つーか親友はいないんじゃなかったのか嘘吐きめっ。
「でも向こうはさ、そういうのでは見てなくてさ」
相手の性別が気になる話だな・・・。
「付き合ってくれーって」
ほらキター。なんだなんだ、まぁこの流れからいくと親友は女の子ですね?しかも隣に住んでたりしますか?
「んでもよ、こっちはそんな風に思ってねがったからよ?」
混ざってる混ざってる。
「でもやっぱ年頃だからさ、付き合ってみる事にしたんだわ」
「・・・・・・・・・・・」
なんか色々ツッコミたいけれど、多分ここはシリアスシーンなので黙っておく。
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