最果てでもお約束。
「ん?」
薄ぼんやりと携帯の画面を見ていて、デジタル式の時計が1分を刻んだ瞬間に気がついた。
”新着メール1件”
前にも言ったように自分には友達がいない。
つまる所、送って来た所は・・・やっぱり。
メールを開いてみると、そこには慣れしたしんだアドレス名。
”対4国入国管理室”
あぁ・・・朝っぱらから縁起でもないメールだ。
おそらくは先日侵入してきた4名が始末されたとかそういった類だろう。
そう思って内容を流し読みしようとした途端、指が止まった。
タイトルが振られている。
通常の連絡では件名やタイトルは振られず空白のままだ。
しかし、今回のメールには”第一室・縦縞”とある。
第一室とは、対4国入国管理室という組織に4つあるグループの1つで主に4国からの軍事的防衛に当たる部署。・・・非公式に重火器まで装備し、米国にまで戦闘訓練を受けに行っているちょっとアレだけど優秀な町の人で形成されている。
縦縞とは同じようにバイトから契約社員になり、正社員に抜擢された年下の同期だ。
年の頃まだ22くらいなのに、未だにリーゼントを決めている気合バリバリ人間。
そんな謎の人がぼくになんの用があるというのか。
業務連絡ならぼくが所属している四室(対4国情報処理係)の室長から来る筈だし。
寝起きで回り難い首をひねりひねりメールを読むと、1行目から目が飛び出るかと思った。

『4国と戦争だってよ』

「こうーなんか安藤さんが猟銃みたいなの持って家から出てったよー」

今日も空は快晴。
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