最果てでもお約束。
結局来た道をゆっくりと戻る。この町はすでに戦場と化しているので、本当は早く家に帰ればいいのだけれど、これからの事を考えていたのと、アキラとの別れを覚悟していたのにあっさりとスルーされてしまった事でちょっと寝込んでしまいそうだったからだ。
うう・・・なんてタイミングの悪い・・・。
「うぇーどこに向かってるんですー?」
まったく状況のわかっていないアキラは前髪を風になびかせながら、バイクの後部座席にあたる場所で大声を出す。
「もっと声小さくてもいいよ。20kmしか出てないし」
あんまり大声で話していて、どこからか撃たれたらマズイし。いやマジで。
「北から無理なら西からっすかー?」
声の大きさは変わらない。何故ならアキラが耳元でしゃべっているから。気持ちわるっ。
「西はダメだっていったろう」
そもそも、他国勢力のほとんどがうたた寝町と真睡の境にある。危なすぎで今頃は猫も歩いていないだろう。
さて、ならばどうするか・・・・。
北には軍人さんがフル装備でカモ撃ちを楽しもうみたいな雰囲気。
西は他国勢力vs対4国管理室。
東もおそらくは軍人さんがグラビア雑誌なんかを読みながらタバコを吸ってそうだし。
南は・・・船はやろうと思えば出せなくもないけれど、多分対4国管理室のどこかが巡視船を出している。
うわぁ・・・四面楚歌だ。
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