最果てでもお約束。
「起きてもいいけどまだ頭は出すなよ」
左手を上げてぶんぶんと振る。待機している人間に無事を伝えたのだろう。
「アキラ・・・平気か?」
「う・・・耳ががんがんする・・」
アキラはまだぼくの腕の中で目を瞑ったまま、更に丸くなった。
至近距離で突然発砲音を聞いたのだ。ショックで暫くは動けないだろう。
「ここはうちがやってるからな。クリアーするまで動かないでくれ」
佐野君は車の陰から1つの建物を注視している。視線の先にはクリーム色のマンション。
あのどこかの部屋に敵対勢力がいるのだろうか。
「4室は自宅待機だ。他の奴も出張ってるのか?」
「いや、ぼくだけ。連絡手段が無くてさ。ちょっと町を見てた」
そうか、と呟いて腰のマガジンを右手で探り、腰に1つだけぶら下がったマガジンを不安げに触る。
佐野君は高校を卒業してから直ぐに対4国管理室に入社したと聞いた。まだ若く、今年で23になったかどうかだ。
「モサドの野郎・・・部屋を鉄板でガードしててな」
今年の頭に結婚して、子供もいる。両親はあの惨劇で失った。ちなみに『モサド』とはイスラエル総理府諜報特務局の事であるが、もちろんこの場合は違う専門の組織が来ているのだろう。対4国管理室では主に中東系の他国勢力をモサドと呼んでいた。
「見ろこれ。いつ分解してもおかしくねぇ」
右手の中にあるウージーを振るとガチャガチャと音が鳴る。普通に使っていたのでは、こうはならないだろう。
「無理矢理経口の合う鉄甲弾を詰めて撃ってるからな。はは、気に入ってたんだけど」
これじゃもう無理だ、と残念そうに笑う。
通常弾とは火薬の量がまったく違う弾を撃ち出しているせいで、銃身に過負荷がかかりウージーは壊れた玩具のようになっていた。
左手を上げてぶんぶんと振る。待機している人間に無事を伝えたのだろう。
「アキラ・・・平気か?」
「う・・・耳ががんがんする・・」
アキラはまだぼくの腕の中で目を瞑ったまま、更に丸くなった。
至近距離で突然発砲音を聞いたのだ。ショックで暫くは動けないだろう。
「ここはうちがやってるからな。クリアーするまで動かないでくれ」
佐野君は車の陰から1つの建物を注視している。視線の先にはクリーム色のマンション。
あのどこかの部屋に敵対勢力がいるのだろうか。
「4室は自宅待機だ。他の奴も出張ってるのか?」
「いや、ぼくだけ。連絡手段が無くてさ。ちょっと町を見てた」
そうか、と呟いて腰のマガジンを右手で探り、腰に1つだけぶら下がったマガジンを不安げに触る。
佐野君は高校を卒業してから直ぐに対4国管理室に入社したと聞いた。まだ若く、今年で23になったかどうかだ。
「モサドの野郎・・・部屋を鉄板でガードしててな」
今年の頭に結婚して、子供もいる。両親はあの惨劇で失った。ちなみに『モサド』とはイスラエル総理府諜報特務局の事であるが、もちろんこの場合は違う専門の組織が来ているのだろう。対4国管理室では主に中東系の他国勢力をモサドと呼んでいた。
「見ろこれ。いつ分解してもおかしくねぇ」
右手の中にあるウージーを振るとガチャガチャと音が鳴る。普通に使っていたのでは、こうはならないだろう。
「無理矢理経口の合う鉄甲弾を詰めて撃ってるからな。はは、気に入ってたんだけど」
これじゃもう無理だ、と残念そうに笑う。
通常弾とは火薬の量がまったく違う弾を撃ち出しているせいで、銃身に過負荷がかかりウージーは壊れた玩具のようになっていた。