最果てでもお約束。
まさかとは思うけれど・・・えぇ・・・5時間じゃなくて、17時間も眠ってたのか。
どんだけーだな。
「アキラーすげーぞー17時間睡眠だー」
「へー。どこが?」
旅の人にはまったく通じないみたいなぼくの常識。いやぁ・・・なんだか自分の常識に自信が無くなってきちゃったなぁ・・・。

「こうーこっちこっち!この辺がいいって!」
「あー・・・?いや、どこでもいいだろ?」
起きたてのアキラが『朝食はティファニーがいいけど無理だから海辺!』等と言い出したので当然却下する予定が朝見た夢のせいかはたまたぼくの頭が終末的になってきたのかおっけーしてしまい場所探しです。
でも海辺って・・・浜が無いからここは防波堤ですよ?
「いーっていーって。気にすんなってー」
妙に上機嫌なアキラ。一応今は戦中なんですけどね。
そうして2人仲良く防波堤に腰掛け、冷たいパンにぬるいジャムを塗って、ぼくは2枚、アキラは1枚の朝食を食べた。
「天気は良いけど海は霧がちょっとかかってるね。よくある?」
むーぐむーぐ口を動かしながらアキラが遠く・・・4国を見る。
「あるある。幻想的だなー」
この景色が好きで、よく早起きをするくらいだ。
「もうこっから先は無くてね、あの霧は実は海が滝にかわってどばーって落ちる時に出来た霧だったらどーするー?」
「世界の果てかぁ・・・ダメだな。こんな世界の果ては無い」
「なーんでよー」
無視して防波堤を降りようとする。
するとアキラが
「こうー髪が目にかかって鬱陶しくない?」
と目聡く発見した。そう、今丁度ぼくの前髪は目にかかっている。
町がこんな状態じゃなければ・・・アキラにあわなければ、いつも通っている美容院に行っているはずだった。
「んー・・・まぁまぁ鬱陶しい」
この発言は後悔しそうだな、と思いながら言ったけれど、本当に後悔した・・。

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