最果てでもお約束。
「よかったぁ!」
安堵の声。何が良かったんだよ、クソ。こっちはもうなんか・・・また視界が真っ白になりそうだよ。またあの果ての無い世界が見えるのかよ。
「平坂洸とか言うから違う人だったらどうしようかと思ったよ・・・ここまで似てて違ったらどうしようかともうねっ!こうの阿呆っ!」
びしっと首に水平チョップ炸裂。ん・・・?誰と間違うんだ?
するりと真後ろからアキラの両腕が伸びて、ぼくの首の前で交差する。
おいおい、気持ちわる・・・くもないな。
ぼくの涙はまだ枯れていない。目はまだ若干潤ったまま。
「こう・・・・こう・・・・探してた。ううん、きっと会えると思ったけれど」
「アキラ?」
アキラの声が潤んで聞こえる。泣いて・・・?
「君だけの世界を見てきなさいって言ってくれた恩人からのたった一つのお願い。オレの命を助けてくれて、住む場所や着る物や食べる物や教育を与えてくれて、ずっと守ってくれた人からのたった、たった一つの願い。もし会えたら、逢えたら、伝えて欲しいと遠慮がちにうつむいてつぶやいたあの人の願い。今伝えるよ」
アキラの声はもう涙と嗚咽で良く聞き取れない。それを自覚してか、少し間を置く。
ぼくはと言えば、何がなんだかわからずにけれども後ろも振り返れずに霧がかった海だけを少し潤んだ目で見ていた。
一際大きいずびーっという音。アキラ・・・シリアスシーンだろう・・。
声を出来るだけ似せたいからちょっと待ってね、と言ってあーあー言い出すアキラ。
いや・・・お前のハスキーボイスで何に似せるって言うんだよ・・・。
「発表します!」
頭の真後ろで大声を出すものだから、椅子からお尻が若干浮きました。2mmほど。
アキラはぼくの胸の前で交差した腕を更に絞ってぼくの首を抱く。右耳には軽くアキラの吐息がかかった。っつーか下唇があたっているような気もする。
つるつるとした、若い唇。
最後に1回耳元で深呼吸して―
安堵の声。何が良かったんだよ、クソ。こっちはもうなんか・・・また視界が真っ白になりそうだよ。またあの果ての無い世界が見えるのかよ。
「平坂洸とか言うから違う人だったらどうしようかと思ったよ・・・ここまで似てて違ったらどうしようかともうねっ!こうの阿呆っ!」
びしっと首に水平チョップ炸裂。ん・・・?誰と間違うんだ?
するりと真後ろからアキラの両腕が伸びて、ぼくの首の前で交差する。
おいおい、気持ちわる・・・くもないな。
ぼくの涙はまだ枯れていない。目はまだ若干潤ったまま。
「こう・・・・こう・・・・探してた。ううん、きっと会えると思ったけれど」
「アキラ?」
アキラの声が潤んで聞こえる。泣いて・・・?
「君だけの世界を見てきなさいって言ってくれた恩人からのたった一つのお願い。オレの命を助けてくれて、住む場所や着る物や食べる物や教育を与えてくれて、ずっと守ってくれた人からのたった、たった一つの願い。もし会えたら、逢えたら、伝えて欲しいと遠慮がちにうつむいてつぶやいたあの人の願い。今伝えるよ」
アキラの声はもう涙と嗚咽で良く聞き取れない。それを自覚してか、少し間を置く。
ぼくはと言えば、何がなんだかわからずにけれども後ろも振り返れずに霧がかった海だけを少し潤んだ目で見ていた。
一際大きいずびーっという音。アキラ・・・シリアスシーンだろう・・。
声を出来るだけ似せたいからちょっと待ってね、と言ってあーあー言い出すアキラ。
いや・・・お前のハスキーボイスで何に似せるって言うんだよ・・・。
「発表します!」
頭の真後ろで大声を出すものだから、椅子からお尻が若干浮きました。2mmほど。
アキラはぼくの胸の前で交差した腕を更に絞ってぼくの首を抱く。右耳には軽くアキラの吐息がかかった。っつーか下唇があたっているような気もする。
つるつるとした、若い唇。
最後に1回耳元で深呼吸して―