最果てでもお約束。
「そうかそうかー・・・・でもなんで?」
すぐにまた眉毛が八の字になる。
「うん・・・それの説明が長くなりそうなんだよなぁ」
ポリポリと右手で首筋を掻く。
「まぁ、あれだ。町で見慣れない顔を見たら写メで友達とかに送るんだよ」
「はぁ?」
「そんで、もし知り合いの中にその人を知ってる人がいたらオッケー。誰も心当たりがなければそこからまたその知り合いの知り合いにコピーして送る」
「・・・それで知ってる人がいなかったら?」
「んー・・・見かけた人の知り合い数にも寄るけどね、これが3回くらい続いて誰も知らなかったら・・・」
「たら・・・?」
「2.3人の屈強な男達が現れて世間話or拉致」
「凄い差があるよ!?」
まぁその辺はその屈強な男達に任されてるからなぁ。
「なに?この町は鎖国でもしてんの?」
ぶすーっと表情を曇らせテーブルに右ひじを突いて手の平に顔を乗っける。
自由な旅をする人にはこの理不尽さが不快なのだろう。まぁ旅人じゃなくてもあまり良くは思わない話だ。
「”南”に対してだけ・・・ね」
朝から開きっぱなしのカーテン。そのベランダの向こうに広がる海。その、向こう。
「4地合同自治国・・・・」
顔を”南”に向けたまま頷く。
そう、この地の”南”、瀬戸内海を挟んだ先には”4地合同自治国”通称”4国”がある。
「確か少し前に日本から独立したんだっけ?当時は大騒ぎだったとか」
「少し前って・・・もう10年だ」
「うわー6歳だ」
「え!?そんな歳下だったん?」
ついつい方言が出ちゃうくらいびっくりしました。
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