最果てでもお約束。
地雷原でハイキング。
「っどーしてもだめ?」
「・・・まぁ・・・殺人鬼しか住んでない町じゃないから・・・地元の人間が一緒にいれば・・・」
「ほら!ほれ!目の前に地元の人!」
えええ・・・・付きっ切りになるし・・・なんかあったら説明しなきゃだし・・。
「いーじゃん!あ、付いてきてくれないなら・・・」
「あーわかったわかった!勝手に行くってんだろ!?あーもー面倒くさいなぁ・・」
「おっけ!さすが旦那、話しがわかりますなぁ」
いやその歳でげへへへって笑うのはどうかと思うぞ・・・。
「その前に・・・」
「その前に?」
「今日うちに泊まるんなら布団干しておかないと」
面倒くさそうに押入れから布団を引っ張り出す。
「おおー、来客用のヤツですね?あ、まさかコレの?」
その歳でコレとか言って小指立てるのもちょっと・・・。
「いや・・・これは・・・」
”これ古くないだろうな?”
追憶から声がかかる。
「幼馴染のだよ。だいじょうぶ、まだ新しい」
「ん?いや別に古くても布団があるだけ満足だよ」
「・・・そっか」
久しぶりにこんなに気兼ねなく話したから、昔を思い出した。
布団をベランダに干す。目の前には海。そして・・・その先に・・・4国。
「まだ、新しいぞ」
「ん?なんか言った?」
「・・・・いや、別に」
時刻は朝の8時前。まだまだ一日は始まったばかりだ。
< 21 / 140 >

この作品をシェア

pagetop