最果てでもお約束。
「・・・・・・・・・・・・・・・ん」
もううつむいているというよりは真下を向いていると言ったほうが正解みたいな体勢で、それでもはっきりとうなずいた。
正直な奴だな、と思った。素直に。
自分がこんな風に挑発されたら、何がなんでも否定する所だ。
しかしそんな事じゃぼくのゆうに対する好奇心は収まらない。
ぼくは逆にどうしてもこいつを自転車に乗せてみたかった。
「怖いのと校則違反するの、どっちが嫌?」
「・・・・・・・・・・・・・怖いの」
ふーん、なら
「じゃあさ、超安全運転するからさ。後ろ乗りなよ」
「・・・・・・・・・えー」
まだぜんぜん下を向いたままだ。しかし、拒絶しない所をみるともう一押しかもしれない。
「大丈夫だって。もし怖いって言ったら止める」
「・・・・・・・・・・・・絶対?」
かかった。
「止める止める。絶対。すっごいゆっくり走るし」
「・・・・・・・・・・・・絶対?」
しつこい奴だった。ちなみにこれはゆうの性格らしく、慣れるまでイライラさせられる事になる。
「絶対。約束する」
「・・・・・・・・・・・・・ん」
魚はやっと針にひっかかった。
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